上海ガニは上海生まれではない

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味覚の秋。中国で秋の名物として最も人気なのは蟹です。その中で一番高級なものは日本人の間で「上海蟹」と呼ばれますが、実は上海の隣にある江蘇省の陽澄湖でとられたカニです。確かに、陽澄湖カニより「上海蟹」のほうが響きがいいですね。

このように、日本語には中華や中国の地名が付いている食べ物がたくさんあります。
しかし、日本では有名であるにも関わらず、中国本土では存在しない食べものも多くあります。今回は、そんな『日本発祥の中華料理』をいくつかを紹介します。

1.天津飯
 天津は北京に近い港都市です。天津飯は中国人が知らない、日本発祥の中華料理の代表です。名前の由来は天津産のコメを使っていたことからきているそうですが、天津には存在しない料理です。天津に行ったら天津飯を食べたくなるかもしれないですが、残念ながら天津だけでなく中国全土でみても、天津飯は存在しません。
 
2.天津甘栗
 日本のスーパーでは、よく「天津甘栗」という名前のついた栗を見かけますね。実は天津は商工業が盛んな都会で、栗がたくさん採られるような山はないのです。天津甘栗の栗はほとんど隣の河北省で採られたものです。それではなぜ河北栗ではなくて、天津甘栗と呼ばれるようになったのでしょうか。理由は河北の栗が日本に入ってきたのが天津の港だったからとのことでした。
 
3.冷やし中華
 堂々と「中華」という言葉を含んだ料理ですが、残念ながら冷やし中華の味付けは、中国にはないです。麺や調味料、野菜のアレンジの仕方が全く異なります。日本は冷やし中華の本場です。中華丼にも同じことが言えますね。

 もちろん北京ダックや揚州チャーハンのように現地の名物がそのまま日本に入ってきたものもありますが、天津飯や天津甘栗のように名称と実際の産地が異なる食べ物もたくさんあります。食べ物を巡る歴史と物語を調べてみるのも面白いですね。